個人的EO·CO記憶法

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2022の6日目として書かれた記事です。5日目の記事はいかのおすしさんの「長いCLL(EG-1)手順は嫌いって話」でした。7日目の記事はじゅうべいさんの「正十二面体パズル、アイコサメイトについて」です。

 

こんにちは。ジャンプイコールAこと岸本と申します。
今回は、僕がEO·COをどのように記憶しているかを説明していきます。今回紹介するやり方では、EO/CO一つにつき2文字で覚える一般的な記憶方法よりも記憶文字数を節約できる場合があり、EO·COが多い時などには便利だと思っています。
僕にとって初めての長文解説ですので、不手際などあるかもしれませんがよろしくお願いします。

始めに

僕がBLDでEO·COを(文字にして)記憶する場合、エッジ/コーナーそれぞれの分析文字列の後ろに「ここから先はEO/COのパーツを表す文字ですよ~」という事を表す、記号的な役割の文字として「」を使います。
この方法では、エッジ/コーナーそれぞれにおいてEO/COを除くパーツをまず分析し、EO/COがある場合のみ「わ」を先ほどまで分析した文字列の最後に付け足します。その次にEO/COになっているパーツに割り当てられている文字の内の一文字を(EO/CO一つにつき一文字ずつ)選び、それらを「わ」の後ろに並べていきます。実行の際、記憶した文字列の途中で「わ」が出て来たら、その後に続く文字はEO/COのパーツとして処理します。
今回はバッファはUF/UFR、基準面はU=白/F=緑、ナンバリングは以下の通りとして説明します。

COの分析·記憶方法

ここからはエッジ·コーナーそれぞれのやり方を具体的に説明していきます。
COの場合は「COになっているコーナーに含まれる、U面またはD面のステッカーが向いている位置に割り当てられている文字」の一文字を(「わ」の後ろに置いて)記憶します。例えば、UFLが完成状態から見て時計回りのCOになっている場合、U面色である白のステッカーがFULにあるため「」を記憶します。
次のスクランブルでより実践的な例を説明します。
scramble:L2 U2 L U L' U L R U2 R' U' R U' R' L

このスクランブルはUFLとDFLがCOです。COがあるのでまずは「」を記憶する文字として置きます(実際は「わ」より前に通常ループを分析した文字列が来ますが、今回はそれが無いので省略します)。UFLは白のステッカーがLFUにあるので「」、DFLはD面色の黄色のステッカーがLFDにあるので「」を記憶します(順番はどちらからでもok)。この2文字を「わ」の後ろに並べて
わみむ
がこのスクランブルの記憶文字列(の一例)になります。各COを2文字で覚える方法と比べて1文字分だけ短くなっています。
実行の際は「わ」以降の「みむ」をそれぞれ元のCOに読み直して処理します。この時、U/D面色のステッカーの位置から使うべき手順をすぐに判断できると便利です。事前に調査しておくのがオススメです。

EOの分析·記憶方法

EOの場合は「EOになっているエッジに割り当てられている2文字の内のどちらか」の一文字をCOと同じように記憶します。例えば、URがEOになっている場合は「」か「」のどちらか一文字を記憶します。COの場合は向きが2種類あるので記憶する文字を決めておく必要がありますが、EOは180°反転の1種類しかないのでどちらの文字を覚えても成立します。
こちらも次のスクランブルで実践的な例を説明します。
scramble:F M' U2 M U2 M' U M U2 M' U2 M U' F'

EOがあるのでまずは「」です。このスクランブルはUR·UB·UL·FLがEOで、割り当てられている文字はそれぞれ「い/さ」「あ/た」「え/ま」「け/に」です。この4つから一文字ずつ選んで「わ」の後ろに並べていきますが、この時記憶する文字を上手く選んだり文字の順番を工夫すると、自分の覚えやすいレターペアを作れる場合があります(ただし吟味しすぎるとその分タイムが落ちるので注意)。このスクランブルであれば覚えやすそうな記憶文字列は
わさたけえ(わさび/竹/絵)」
とかでしょうか。もちろんこんな小細工をせずに見えたものから順に覚えても良いです。自分に合ったやり方を探しましょう。
実行については、EOに向きの区別がない事以外はCOとほぼ同じです。

実践例

最後に実践編として、EO·CO以外も含めて全て通しで分析·記憶してみましょう。
scramble:R B F2 L D2 L' D2 F2 L2 D2 F2 L2 F2 D' L F' L' R F' U2

(ULがEO、UBLがCO)

今回はエッジから分析する事とします。まずEO以外のエッジを分析すると分析文字列は
さあくたてきれめしりつす
のように(一例として)なります。今回はEOがあるので上の文字列の最後に「わ」を付け足して
さあくたてきれめしりつす-わ
となります(ハイフンはEO/COとの境目をわかりやすくするために入れています。僕は特に区別はしていません)。この「わ」以降がEOのパーツになります。今回はULだけがそれなので「」か「」を記憶します。どちらを使っても大して変わらなさそうなのでとりあえず「」を使う事にすると、最終的なエッジの記憶文字列は
さあくたてきれめしりつす-わえ
となります。
続いてコーナーです。先ほどのエッジと同様に分析すると、COの分析に入る前までの文字列は
けすたせつみ-わ
のようになります。ここからがCOです。今回はUBLだけがそれであり、U面色の白ステッカーがLUBにあるので「ま」を記憶します。すると、コーナーの記憶文字列は
けすたせつみ-わま
になります。
よって、今回のスクランブルの記憶文字列は
エッジ:さあくたてきれめしりつす-わえ
コーナー:けすたせつみ-わま
になります。

最後に

いかがでしたか。ここまでお付き合いくださりありがとうございました(ちゃんと伝わったかな...)。僕はこのやり方を使うようになってからはEO·COで登場するレターペアのバリエーションが増えて、EO·COの記憶がちょっとだけ楽しくなりました。ビジュアル記憶が難しい3BLDのEO·COや、MBLDなどの長距離系BLDでは特に効果的だと思います(個人の感覚です)。競技種目が長距離BLDしかない大田BLD大会も近いので、面白そうだなと思った方は一度試してみてくださいね。

とりあえず今回の記事はこの辺でおしまいにします。このやり方について何か疑問点などがありましたら気軽に質問してください。それではまたどこかでお会いしましょう。